持続可能な社会の構築には、「人間」「空間」「時間」という3つの視点が必要であると考えています。特に、日本では、地域コミュニティを基盤とした社会が生活を支える上で重要な役割を果たしており、それらの持続的な発展こそが持続可能な社会の構築に寄与すると考えられます。
「人間」の視点とは、地域に住まう人々そのものを指す言葉であると同時に、人的資源としての人間や、人々のネットワークを基盤としたソーシャルキャピタル(社会関係資本)を表します。「空間」の視点は、地域やコミュニティはもちろん、学校や企業、そしてそれらをつなぐネットワーク、さらには、ふるさとといった概念を指す視点であるといえます。そして、「時間」という視点は、現在、過去、未来をつなぎ、歴史や文化を継承していくプロセスを内包する視点です。
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、現代の社会システムの脆弱な部分を明らかにしました。同時に、地域コミュニティにおいて、100年前、1000年前から現在に至るまで受け継がれてきたものの価値や、その大切さについて、先に挙げた「人間」「空間」「時間」の視点から考えることの重要性を気付かせる契機にもなりました。
社会課題の解決には、まず、身近な地域社会をより豊かにすることが必要であると考えられます。それには、多くの人々が多様な価値観を持ちながら、何らかの形で地域に関わる社会システムが必要となります。一般社団法人という形態は、様々な価値を交換し共有するため装置として機能すると考えられます。 以上のことから、我々は、多様な価値観が共存する社会を実現するべく、日本に根付く「和」の精神を尊び、自ら生き方を選択し意思決定をすることで生き方をデザインすることができる地域社会の実現を目指します。